
今回は、
加藤官房長官が「ご飯論法」の使い手ということと、「ご飯論法」と「チャーハン論法」がどう違うか、取り上げました。
しかし、そもそも「ご飯論法」や「チャーハン論法」って何なのかわかりにくいですよね?
まずは、そこから見ていきましょう。
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「ご飯論法」とは
まず、ご飯論法という言葉は、
法政大学の上西充子(うえにし・みつこ)教授が、
Twitterで当時の加藤勝信厚生労働大臣を批判し、
漫画家の紙屋高雪(かみや・こうせつ)氏が加藤氏や他閣僚の話し方を「ご飯論法」と名付けたものです。
加藤氏が批判を受けたのは裁量労働制や高度プロフェッショナル制度についての、
野党議員への受け答えでした。
Q「朝ごはんは食べなかったんですか?」
A「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたが、それは黙っておきます)」
Q「何も食べなかったんですね?」
A「何も、と聞かれましても、どこまでを食事の範囲に入れるかは、必ずしも明確ではありませんので・・」そんなやりとり。加藤大臣は。
— 上西充子 (@mu0283) May 6, 2018
ご飯論法とは、
ツイートにあるように、「朝ご飯は食べたか」という質問に対し、食事であるご飯を狭義の意味として「白米」と故意にとらえ、「ご飯(白米)は食べていない」と論点をはぐらかす手法であるとされています。
この言葉は「2018ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10に選ばれました。
正直なところ、ご飯論法という言葉はまったく流行していなかったように思いますが……。
それから2年後、加藤氏はまたも上西氏の批判を浴びるのです。
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今度は「チャーハン論法」?
「チャーハン論法」が話題に上がったのは、
2020年の菅首相による日本学術会議会員任命拒否問題です。
1983年の「会員の任命は形式的」とした政府答弁と、
2018年の「会議の推薦に従う義務なし」との政府文書が矛盾するのでは、という批判に対して、
加藤官房長官は、
「(1983年・2018年いずれも)日本国憲法のもとでなされたわけだから、認識にずれはない」認識を示したのです。
それに対して上西教授は、Twitterで以下のように批判しました。
エビチャーハンを作っていたのを玉子チャーハンに変えましたよね、という質問に対し、同じシェフが作っておりその点においてなんら変わりはない、と言っているようなもの。 https://t.co/v2CJF7zBeL
— 上西充子 (@mu0283) October 7, 2020
間違いなく、「ご飯論法」を踏まえた批判になっていますね。
ただ、「チャーハン論法」という言葉自体は、紙屋氏や特定の誰かが名付けたもの、
というわけではなく、マスコミによる命名のようです。
「チャーハン論法」はメディアの悪ノリ?
「ご飯論法」「チャーハン論法」について見てきましたが、
いずれも「論点ずらし」に対しての批判という点では共通しています。
加藤官房長官は、自身の答弁が「チャーハン論法」と言われている旨を、
会見で尋ねられると、
「例えの意味がにわかに分からないが、説明が分かりづらいという指摘にはしっかりと説明できるようにさらに努力していきたい」
と答えていました。
加藤官房長官の答弁は、まわりくどいようと評されることも多いですが、
「ご飯論法」から派生してさまざまな命名で揶揄するのは、
メディアの悪ノリのように思えます。
次は「炊き込みご飯論法」とするような、
名前を変えただけの批判が続かないと良いのですが。
加藤官房長官には、わかりやすい答弁や説明を、
メディアには、もう少し本質的な報道を、
期待したいところですね。
以上、Nobieでした!
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